【読後レビュー21冊目】仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。 「計って」「数えて」「記録する」業務分析術 坂口孝則
仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。 「計って」「数えて」「記録する」業務分析術 (幻冬舎単行本)
- 作者: 坂口孝則
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: Kindle版
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本文より。
自由業のぼくからすると、会社員が会社にあるノウハウについて無頓着で驚愕する。ノウハウとは、多くは資料に結実している。自由業者だったら時間をかけていられない書類様式一つひとつも、ずっと熱心に考え続けている社員がいる。もちろん、それは暇人が多いからかもしれないけど、他の社員が自分の代わりに頭脳労働をしてくれている事実の意味は大きい
A 本の要約:
- どんなもの?
経営コンサルの筆者が、仕事をうまく進めるために資料作り・文章づくり・営業・公演それぞれの方法論を筆者の経験を元にまとめたもの。筆者は会社員時代の同僚・先輩らの上記4つを分析・計測して仕事をすすめる上での方法論・教科書としてまとめている。 - 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
計測・分析するというのが本書の肝。様々な提案プレゼンの資料を計測したところ、仕事の資料は25パターンに分類できることや、資料作りに着手する前に、資料の「①目的、②対象者、③メッセージ、④ストーリー(構成)、⑤媒体」を明らかにする必要がある、などの方法論に行き着き、紹介している。特に、資料の見やすい文字数や、スライド枚数などは今すぐ実践でき、「わかりやすい」「それっぽい」と思われるようなポイントになるだろう。 - 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
どうしてもこの類の本はノウハウ的な情報になってしまい、記載されている方法論は時代とともに変わっていってしまう。デザインの隆盛があるように、どんな資料が見やすいか、どんな資料を作って欲しいと思われるかというのは日々変わっていくものなので、常にアップデートはしていかないといけないなと感じた。 - 新しいと思った3点
・プレゼンや資料作りで「こうすれば何となく評判がいい・それっぽく見える」という方法論が知れたこと。
・資料の型を意識することで、他人のプレゼン資料を見ている時は、どんな型を想定して作っているのかなど自分の感性を磨くための時間として使える。自分ならこういう要素を足すとか、逆にこの要素は冗長だ・不要だという思索も出来る。
・会社という場所は、参考にする先輩・同僚が山ほどいる「恵まれた環境」である。他人が頭脳労働をして汗を書いて作った資料を見れるし、参考にできる。その思考の経緯を知れる。それほどの恵まれた環境なのだから、誰かの作った資料をみずに捨ててしまうのは本当にもったいないと感じた。
B 自分の中での気付き:
- この本を通して自分の生活を振り返ると?
無印良品は仕組みが〜でも述べられていたが、自分の仕事を定量的に把握し・分析することは大事。
徹底的な仕事のマニュアル化(経験と勘の排除)が無印良品では行われていることが書かれている。無印良品では店頭のディスプレイの方法や商品名の付け方、さらには新人教育のマニュアルもあるとのこと。それらを用いて、なるべく仕事の標準化を行い、全国どこでも同じように商品提供が行えるという。
さらに本書では自分の仕事を内省するだけでなく、「仕事ができる誰かの仕事」を分析しろ、と主張している。これはもっともな話で、内省するだけでは自分は超えないし、さらなる上達は望みにくいだろう。出来る人の仕事を分析することで、自分の仕事との差異を明らかにして、どうすれば近づけるかという視点で考えること。これが必要。車輪の再開発は本当に不要。
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
- この内容を使える場面は?
本書で述べられている資料作りのノウハウはすぐに真似できる仕事術だと思う。すぐに導入する。更には、計測する、記録する、という「仕事ができる誰かの仕事を分析する方法」を身に着けないといけない。この方法は新たな仕事をする際に、仕事の進め方を知る方法として必要だと感じた。新たな環境に身をおいた時に、前任者や先輩から仕事の方法を教わるのは当然なのだが、その際に、計測する・記録するという方法を行えばより効果的に仕事の真似ができる、ということを覚えておきたい。