Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー20冊目】無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい 松井 忠三

 

 

本文より。
 

無印良品のマニュアルは、現場で働くスタッフたちが「こうしたほうが、いいのに」と感じたことを、積み重ねることで生まれた知恵です。  また、現場では毎日のように問題点や改善点が発見され、マニュアルは毎月、更新されていくのです。仕事の進め方がどんどんブラッシュアップされるし、自然と、改善点がないかを探しながら働けるようにもなります

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    無印良品を展開する良品計画の会長(現名誉顧問)である筆者が、無印良品にある徹底的なマニュアルについて説明し、仕事は仕組み化し、それを有機的に変更し続けることが大切であると述べている。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
     徹底的な仕事のマニュアル化(経験と勘の排除)が無印良品では行われていることが書かれている。無印良品では店頭のディスプレイの方法や商品名の付け方、さらには新人教育のマニュアルもあるとのこと。それらを用いて、なるべく仕事の標準化を行い、全国どこでも同じように商品提供が行えるという。
     更には、マニュアルを作成した段階ではまだ最初の一歩目だと話しており、作成したマニュアルを一人一人の社員が実践し、直すべきところは修正案を上げ、修正していくことが出来ている。その結果、常に新しい仕事の仕方にブラッシュアップでき、高い品質の商品提供が可能とのこと。

  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
     マニュアルを修正する際の体制について疑問があった。本書に記載のように、現場レベルの意見・お客様からのフィードバックが多く出て、それをマニュアルに反映するという正の循環になっていれば問題はない。
     ただ、マニュアルの変更を決定する仕組みについて、マニュアルの変更は地域リーダーのチェックの上、全国的な会議にかけて決定を行うということだったが、これは全社的な哲学が全国的に浸透してこそできること。目指すべき目標と言い換えてもいいが、全社を広く浸透する哲学があってこそスピーディーな決定・変更が可能になるものだと考える。変更することに必要以上に反対が出るようになったり、逆に修正案が全く出なくなったりしたら、組織として悪循環になっていると思われるので注意が必要な点だと感じた。


  4. 新しいと思った3点
    ・実行力のある組織は強いという指摘。これは昨年末頃からビジネス本ではやった「GRIT」と同じことを言っている。計画を立てても計画を立てる段階で組織が疲弊してしまい、実行に移せないということでは本末転倒である。実行有りきの計画であるべきだし、どうすれば計画通りの実行していくことが出来るか、という行動心理学的なアプローチが計画段階に必要だと感じた。

    ・マニュアルの精緻さ。本書の中でマニュアルの幾つかが公開されているが、無印良品のマニュアルは、新入社員が見ても理解できること、が一つの基準に作成されている。そのため、図が多く使用されていたり、なんでこのマニュアルがあり、この項を使って説明が行われているか、というWhyの部分をしっかりマニュアル内に落とし込んでいる印象だった。

    ・標準化/マニュアル化の力。昔は個々の店長の力量に各店舗の売上が左右されていた、というような記述もあったが、店舗の魅力を伝えるのも、仕事の上のムダを省くのもマニュアルの整備を行うことで達成されている。これらはいわば仕事上のオフェンスとディフェンスであり、両方共に対してアプローチできる方法としてのマニュアルの作成と継続的な更新が必要と感じた。


B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
     私の仕事の中でも標準化・マニュアル化出来る部分は多い。特に現在の業務は1年・1ヶ月のルーチンワークに近く、1年やるとノウハウ的なものがだいぶ貯まる。それをマニュアル化して後輩の育成や引継ぎに利用していきたいと感じた。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
     上記記述したように、個人的な仕事上のマニュアルを作りたいと感じた。
     具体的には、①1年・1ヶ月のルーチンスケジュールの作成②今やっている作業の洗い出し③洗い出した作業をルーチンスケジュール毎に行う作業と、そうでない作業へ分類④ルーチンスケジュール毎に必要な作業のマニュアル作成⑤ルーチン以外で発生する作業のマニュアル作成かなと。