Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー3冊目】[就活という窓を通して見えるもの][古市 憲寿, 朝井 リョウ]

 

 

本文より。

読者の中には作家をすごく崇高なものだと思ってくれていて、「一冊でもいいから買って」とか「誰々に帯を書いてもらって嬉しい」というようなことは、幻滅するから言ってほしくないという人もいます。でも、逆にツイッターによって、作家が自作を一冊でも売りたい普通の人間であると知れ渡っていくのはいいことかなと思います。無駄にカッコいいイメージを作らないほうがいいかなと

 

A 本の要約:
 1.どんなもの?
著者2名それぞれの近著を使いながら、就職活動・学生を取り巻く話題が出されるインタビュー。古市は自己の専門からのアプローチをして、朝井が自己体験や小説に乗せている思いなどを語っている。
 
 2.今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
著者のインタビューという形式を取りながら、朝井の就活観とか周りの社会への思いとかを出させているところ。多分年齢が近い古市がいた事によって促進された側面があると思う。
 
 3.技術や手法のキモはどこ?
古市という社会学者兼著者と朝井という著者を会わせ、同年代の持つ感覚の中で対談を行ったこと。
 
 4.どうやって有効だと検証した?
検証はしていない。対談形式のため。
 
 5.議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
採用の選考についての話。時間とお金を賭けてセレクションした割には、毎年使えない新入社員という話題がでる。それは結局採用担当者が上司を納得させるための選考をしているに過ぎないからではないか。学歴・有名コンサルを使っての選考など。現場で必要な部分のチェックが無いから使えない新入社員が毎年生産されるのでは。
 
 6.新しいと思った3点
・「社会関係資本」、つまり自分の周りにどういう人がいるかがすごく大事だと思うんです。極端な話、「すごい人」がどれだけ周囲にいたかで、その人の人生は全く変わってしまう。←これは高校?の頃からか感じていた事だったので、明文化してくれたのは嬉しかった。
・朝井の文化的資本(本人の本に対する蓄積)への考え方『面白いコンテンツを得たければ正規の料金を払うことがベストだったし、手っ取り早かった。そして、限られたお小遣いで何かを買うとなると、かなり悩んで取捨選択するので、選んだものが面白かったら自信になるし、そういうふうに自ら選択したものを自分の中で積み重ねていく行為自体が、自分で何かを作ろうと考えるようになったことに繋がっているんじゃないかと思います。  そう考えると、逆に今のようにいろんなものが無料で手に入る状況は、個人の専門性を形作るうえで妨げになっているのかもしれないです。』
・専門性はその人のいる市場によって左右される。どこに行っても通用する専門性とかあるわけない。もしくはインフレした期待があり、それに応える専門性を持つ人はかなり少ない。
 
 
B 自分の中での気付き:
 1.この本を通して自分の生活を振り返ると?
著者は崇高なものというイメージを取っ払ってほしいといった朝井の発言には納得。結局一人の人であり、同じような悩みを持った同世代の人間だったりする。それを知れただけでも朝井リョウの本を読む意味はあったかもしれない。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
 1.この内容を使える場面は?
専門性への考え方は使える。自分が持っている経験の整理と、いまいる位置・立場の平均的ステータスと、求められる力を考えると、出していける専門性ってあると思う。例えば、SE職のなかでは平均的だったパソコンスキルは、他の集団の中に入ったら相当高レベルかも知れない。逆に言うと仕事に結びつく可能性のある専門性は持っていて損はない。