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Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー32冊目】「農業」という生き方 ど素人からの就農入門<「農業」という生き方̀ 永峰 英太郎

農業という現場で、さらに言葉は悪いが、その底辺で頑張っている彼は、今の農業の問題点を数多く見知り、それがあるがために、さまざまな壁にも直面している。現在の日本の農業の真実を伝えるためには、彼のような存在を取り上げることこそ必要なのではないかと思ったのだ

どんなもの?

 新規就農をした農家のインタビューを通じて、筆者は農家独立までの王道を3パターンに分類している。

 

①自治体の支援制度を利用する

②自治体の支援制度を利用し、研修施設で研修を行う

農業生産法人で修行を積む

 

さらに、新規就農者から見た日本の農業の実情について、6つの問いを立てて論じている。

 

その1 「農地を借りるのが難しい」本当の理由とは?

その2 何を基準に作目を決めるか?

その3 「有機農業は食べていけない」は本当か?

その4 農協経由の販売はもう古い?

その5 儲かる農業のキーワードは「差別化」にあり

その6 独立には莫大な自己資金が必要?

 

 

今まで読んだ本と比べてどこがすごい?

 新規就農者のインタビューを通じて、悪い例と良い例両方共述べられているのが目を引く。この手のインタビューだと、成功例だけ上げていることが多い。

しかし、それぞれダメだった独立例について述べることで、全ての就農希望者が成功しているわけではないという現実を語っている。例えば「受身の姿勢ではダメだ」という、一般企業でも言われている当たり前のことをしっかり指摘している。

 何故か農業分野では一般企業に就労していると当たり前に言われている仕事に向けての心がけが言われないことがある。このあたりの現実の指摘は夢を見させすぎないという点で重要だと感じる。

 

議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)

 農業分野は今まで補助金漬けであったことが問題なのだろう、失敗が許されないというか、失敗とは何かという議論がされていない印象を受ける。

 その理由としては、そもそも失敗・成功を議論しなくても困らない程度しか困っていない、また補助金をもらうことが主眼になっているため、言われたとおりの生産をしていけばいいという意識があるのかもしれない。

 同じように、環境が特殊でありムラ的な文化が醸成されており、その文化に反するようなやり方が難しいという問題もある。

 
 

新しいと思った3点

あえて「有機農業」を選択しない農家があることも触れておきたい。京都の茶農家・喜多章浩さんも、その一人だ。その理由は、単純明快だ。「美味しくないから」だ。 「美味しい茶葉を作っても、虫に葉っぱを食べられてしまうんです。完全な無農薬だと作りにくいんです」と、その理由を話す。  

ブランド化、加工品販売など、さまざまな取り組みで差別化を図り、売上げを伸ばす努力をしている新規就農者だが、もう一つ、目立つ取り組みがある。マスコミの徹底活用だ(中略)。先の宮城県のある農家は、こう話す。 「競合他社がひしめくなかで『いいものを作っていれば、きっとわかってもらえる』という考えは、甘いと思う。自分ができることを徹底的に考え、それを実行していく姿勢が、生き残るためには必須なのではないでしょうか。

身の丈に合った農業」をすることに力点を置く、新規就農者も多い。新規就農者のなかには、1年目から数百万円の売上げを目指そうとする人も少なくない。なかには、先輩農家の売上げを見て「自分もそのぐらい」と無謀な売上げ目標を立て、結果、経営規模を大きくしてしまうケースもある。それでは、いくら資金があっても足りないし、リスクも大きい。 
 
 

自分の中での気付き:

この本を通して自分の生活を振り返ると?

 主には就農に関わることなので、直接今の生活に関わることは少なかった。但し、新規営農を考えるのであれば、就農の王道3パターンが知れたのは有意義だったと感じる。

 一方で、農業にしても普通の仕事にしても通じる仕事術のような物があることは読み取れた。なるべく標準化して誰でも作れるようにする、それぞれの作物に対してどの作業は欠かせなくて、どれは手を抜いても問題ないか。これらは今の仕事にも通じる部分や場面が多いと感じる。

 

気づいた結果として起こそうと思う行動:

この内容を使える場面は?

 多くあるわけではない。農家は農家で大変であることを知り、簡単に田舎暮らし・就農という言葉に惑わされて田舎に行くような若者が増えないことを祈る。