Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー30冊目】イギリス式 月収20万円で愉しく暮らす 井形慶子

 

 

 

本文より。

二〇万円という収入で住まい、食事、遊び、つき合いを充実させよう。月二〇万円という額なら、たとえ年をとっても、家族がいても、一人でも、何とか自分の力で稼いでいけると思ったからです。

 

 

本の要約:

どんなもの?

 イギリス人の生活様式を解説した本。衣食住全てにお金を支払い、お金の多寡で価値が決まるような考え方ではなく、イギリスでは別の価値観が浸透しているという話。ブランド品ではなく、素材を重視し作りの良いものを何年も使うこと。過保護なまでの医療・投薬ではなく、自然素材を使った治療法(ハーブオイルなど)を行うこと。服は10着と言われるように、旅にすぐに行けるようなお気に入りの少ない数の服しか持たないことなど。それら別の価値観によって、精神的に豊かな生活を送っているイギリス人がいるという話。

 

今まで読んだ本と比べてどこがすごい?

 イギリス人の根底にあるのは、お金の多寡に惑わされない精神的に豊かな生活を送るということなのだと感じた。また、近視眼的に毎日の生活をおくるのではなく、中長期的な視点に基づいて「どうすれば結局はよりよいか」ということを考えているように感じた。そしてそれらは筆者が何度もイギリスに通い取材を続けた結果とのことで、その姿勢に感服する。

 

議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)

 残念ながら、月収20万円は誰もが達成できる金額ではない。2016年の大卒の平均初任給は約20万円。じわじわ伸びているとの言えど、これは平均額。以下の人もいる。
 
 また、これらは税引前金額とのことで、ここから所得税、住民税等が引かれる。手取りが月額20万円を超える人数は初任給額で考えるよりも減る。ここから、月20万円で愉しく暮らすというのは親しみのわく言葉ではないだろう。
こんな時に「面白そうだ、行ってみよう」と自然に歩き出せるかどうかは、おかしな話ですがすべて靴にかかっているのです。見た目にカッコいい靴でも時間とともに足が疲れてくるようでは、これ以上歩きたくない、とすべてがおっくうになってしまいます。
暮らしの中のムダを省き節約を美徳と考える彼らが、家事にお金を支払うもう一つの理由は、ベビーシッターを雇ってでも夫婦でパーティーや旅行に出かけるなど、人生を楽しもうとする姿勢が根底にあるからです。イギリスの人々は物を買ってストレスを発散させるより、家事の負担を減らしゆったりと快適に暮らす心地良さを大切にするのです
買いすぎをセーブするために、イギリスでテスコに次ぐシェアを占める大手スーパー、セインズベリーでは、一七年前から買い物客にバーコードリーダーを渡して、予算内で買い物ができるユニークなシステムを導入しました。買い物客はこのバーコードリーダーに自分がその日に使う限度額をあらかじめ入力しておきます。  たとえば五〇〇〇円以内で買い物をしたい場合、客はその限度額をインプットしたあと、商品をカートに入れる前にそのつどバーコードリーダーで読み取らせます。それらの価格が次々と五〇〇〇円から差し引かれ、あといくら使えるか正確な金額がバーコードリーダーに表示されるのです。 
 
 

自分の中での気付き:

この本を通して自分の生活を振り返ると?

 素材を大事にするというのは大切だと感じた。それくらい、『自分が使っているものは何から出来ているのか』とじっくり考える心の余裕があるように感じる。逆に自分の生活にそれくらいの余裕があるのかと振り返ると自信はない。即物的に一時の満足が得られればいいと考えているのか、それすらも考えられていないのかはわからないけれど、処理するという考え方が頭をぐるぐる回ってしまい、立ち止まって考えるということを忘れていると感じる時がある。

 

気づいた結果として起こそうと思う行動:

この内容を使える場面は?

 心の余裕を持って生活していきたいと感じる。筆者の言いたいことからは意図がずれるが、忙しい中でも「これは何から出来ているだろう?」と考えてみて、少し立ち止まるような時間が持てるようになりたい。