Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー18冊目】無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論 海老原 嗣生

 

 

本文より。

内発的動機とは「やる気」のことです。マネジメントの基本がここにあるといってもいいでしょう。

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    リクルートを経て人材コンサルを務める筆者が、日本的マネジメントの特長を明らかにし、マネジメント理論を現場で発生する事象と絡めて紹介している。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    日本的経営の特長を理論を用いて説明している。学問的な分類を使うと、経営学の中の組織論・行動組織論に当たる部分。内発的動機づけを重視し、部下が内発的動機づけを持つことが出来るには、上司には何が必要か、どんな指示が良いとされているか、などの点から組織に必要な戦術を指摘している。基本的には、日本企業が持っていた特長を説明している。

  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    最近だと新卒一括採用を始め、現代の外部環境に日本的経営の手法が合わなくなっているのではという指摘は多い。特に本書を読んでいて感じたのは、一人の人材を最後まで社の中で育てようという日本的経営の前提は昨今難しくなっているという現状だ。どのタイミングでリストラに遭うかわからず、リストラされてしまえば、「途中までしかスキルを持たないただの人」になってしまう。このような環境を誰が好んで選択するだろうか。


  4. 新しいと思った3点
    ・日本企業の前提はすべての人材を最後まで面倒見て、その中でいかに内発的動機づけを高め続けることが出来るのか、といったことに尽きる。
    ・欧米型の企業との違い。欧米型はポストに人を貼り付ける。日本はひとまず採用して、空いた仕事をさせる。ポストに人を貼り付けられればスペシャリストが育つ。暇な時には本当にすぐ仕事がなくなる。流動的な労働市場を前提としている。
    コアコンピタンス選択と集中の話。選択と集中をしすぎると発展が難しくなる。ある程度の遊びや余裕を持たせておかなくては、新たなアイデアや事業は生まれない。

B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?

    マネジメントの根幹とは「2つのWと2つのR」だと説いています。このあと出てくるエドウィン・ロックやリチャード・ハックマン、グレッグ・オールダムの言わんとすることを彼なりに意訳した名言でしょう。  2つのWとは、「What(何を)」「Way(どうやって)」、2つのRとは「Reason(理由)」「Range(範囲)」です。

    後輩指導の際に、WhyとReasonは意識しているが、忙しいときに出来ているかと問われると自信がない。また、Rangeについてはあまり意識できていなかった。これはOKという範囲の指定や提示。「自由にすればいい」と言われたときの虚無感。実際に相対してみると感じる感情である。これは今後意識していきたいと思う。
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    まずはマネジメントの根幹と記述のあった上記Bの記載について後輩指導の際に意識する。
    忙しいときほどWhyを抜かした指示になってしまったり、後からReasonの説明を抜いてしまうことがある。自戒だなと。