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Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー1冊目】[「若作りうつ」社会 ][熊代亨]

 

 

「若作りうつ」社会 (講談社現代新書)

「若作りうつ」社会 (講談社現代新書)

 
本文より。
 

ほんの百年ほど前まで、「人間五十年」という言葉は実際その通りでしたし、平均寿命が延びた現代においても、老いと死は不可避の運命です。にもかかわらず、現代社会に流通している人生のハウツーやライフハック(質や効率を上げるための工夫)の類には、「人間は必ず老いて死ぬ」という大前提が欠けているように見えます。

 

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
 地域社会があった頃と比べて、客観的な年齢と自意識としての年齢が一致しないことが出てきた社会への指摘。ライフスタイルの変更や意識の変更が出来ないが、身体的な加齢は訪れる。そのためメンタルヘルスに支障をきたす。この問題は地域の年長者という身近なモデルケースを失い、マスメディアの作った「いつまでも元気な中高年・芸能人」に影響されたため、起こった。上下の年代との交流を積極的に行い、各年代ごとの様々なモデルケースを知ることで、この問題は緩和できる可能性があるという指摘。
 
  1. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
過去と比べて、年少のころに身につけた個人の性向や能力でその後の生活に影響をあたえること。これには地域社会からの自由のデメリットが影響。誰からも注意されないことにより「基準」が失われる。
 
  1. 技術や手法のキモはどこ?
エリクソンのライフサイクル論を引用。
 
  1. どうやって有効だと検証した?
社会関係資本の一つである世代間のつながりや「顔の効く人間関係」がなくなったため、ライフサイクル論の前提は一定崩れている。しかし、親が子供を育てるという連関はなくなるものではないため、今とのギャップを探るという意味でライフサイクル論の引用は有効。
 
  1. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
アメリカにおいて、「持てる人々」がしがらみを問わず社会関係資本をキープ(サロン・権力者同士のつながり)している一方で、「持てない人々」(経済資本や文化資本の弱さを顔の効く人間関係でキープする必要性の高い人々)こそが孤立している可能性がある、という指摘。これは今後の日本でも起こりうる。
 
  1. 新しいと思った3点
・文化習俗、なかでも時代の流れに敏感なサブカルチャー領域の変遷を振り帰り、時代精神が文化に反映されるという前提の元、分析を行ったこと。

・各世代毎に成長する中での発達課題があり、それは各世代毎に解決されながらも新しく発生し続ける。またそれらは個々の世代だけで完結するものではなく、各世代が課題に向き合っている横では、別の世代が別の課題に向き合っている。

『例えば、ある高校生が思春期の発達課題に取り組んでいる頃、近所に住む甥っ子や姪っ子は遊戯期の発達課題に取り組んでいて、親は親で、子どもを育てたり躾けたりすることで成人期の発達課題に取り組んでいます。祖父母が存命なら、老年期の発達課題に取り組んでいるでしょう。それらは全てリンクしていて、お互いの社会的加齢に影響を与え合っているはずです』

・年長者によって年少者は育てられ、また年少者によって年長者も育てられている。各世代の課題に向きあい、成長する中で、年少者の存在は必要。
 
 
B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
 世代間のコミュニケーションの必要性を感じた。世代間でわからない・伝わらないことが多くなっていると感じていたが、年齢相応に成長するために上世代との交流は必要と感じた。生活スタイルや生きていく上での悩みなど。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
少なくとも就学前〜今までの人間的なつながりは断つことは出来ない。大切にしつつ、さらに自分から悩みを打ち明けたり、アドバイスを貰う姿勢が必要だと思った。