Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー27冊目】人生が変わる哲学の教室<人生が変わる哲学の教室>  小川 仁志

 

人生が変わる哲学の教室 (中経の文庫)
 

 

本文より。

いま、先が見えない時代だといわれます。「何が正しいのか?」「何が幸せなのか?」生きていくうえで重要な問いに対する答えが、見えなくなってしまっているのです。  哲学はそこで威力を発揮します。何千年という時間をかけて培われた人類の英知を利用しない手はないのです。今こそ先人の声に耳を傾けるときではないでしょうか。 

 

本の要約:

どんなもの?

 著名な哲学者の言論を講義形式、フィクションで語ったもの。各哲学者の言説のエッセンスを抜き出しており、主義主張や考え方がコンパクトに纏まっている印象。

 根本としては、何千年の哲学の歴史から、「何が幸せか」「人生とは」などの問についての答えを与えられること。それらは多様化した現代の志向において、一定の方向性を示してくれるもので、現代においても有効だと考えられる。

 

今まで読んだ本と比べてどこがすごい?

 講義形式のため、平易な文章で哲学者の言説が語られている点。難解な原典に当たるよりも、このような分かりやすい解説のほうが、初学者には助かる。

 また、全ての章に於いてではないが、おそらく筆者によって「哲学者それぞれの考え方で現代を見通すとこのような意見が出る」というものを書いている。ヘーゲルの夢についての講義では以下のように語られている。

 

理想とはここにはなく、求めるものであり、到達したい場所、憧れの対象です。逆に現実とはここにあって、与えられるものであり、抜け出したい場所、ときには嫌悪の対象です。  つまり、理想を選択するときというのは、前に進みたいときですね。あるいはその場所から抜け出したいときであるといってもいい。そして現実を選択するときというのは、今いる場所を受け入れようとするときなのです。

ほとんどの人は理想を選択します。ただ、その理想が高すぎると、前に進むつもりが、反対に停滞をもたらすことになる。前に進めないうえに、今いる場所さえも拒否することで、行き詰まってしまうのです。残念ながら理想というのは高すぎるのが常ですから。  そんなとき、前に進むためにあえて現実を選ぶという方法もあります。あまりハードルが高すぎると、いつまでたってもそこから抜け出すことができないからです。

社会自体ももっと変わらなくてはいけないと思います。多くの人が理想をもったまま現実を受け入れることのできる社会へと。それは何度でもトライし続けることのできる社会を意味しています。いったん現実を受け入れてしまえば、もうそれでおしまいというのでは、誰も現実を受け入れることができなくなってしまいます。

 

 

議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)

 なぜ哲学的な問いは終わらないのだろう。やはり皆が「幸福になりたい」と思いながらなれていないからだろうか。ではなるためにどうすればいいかを皆求めているのだろうなと。

 
 

新しいと思った点

・哲学を思考するにおいてはプロセスが大事。

プロセスが大事なのかというと、それはそこで初めて頭を使うからです。答えを聞いただけの人との違いは、自分の頭を働かせたかどうかです。自分の頭を働かせることのメリットは二つです。一つは自分で考えた結果行き着いた答えなので、納得がいくということです。その答えを選んだ理由がよくわかっていますから、仮にそのせいでひどい目にあっても仕方ないと思えるでしょう。でも人から聞いただけの場合は、後悔の原因になります。

 

自分の中での気付き:

この本を通して自分の生活を振り返ると?

 哲学的な思想は学んでこなかったからか、余り興味を持って読むことができなかった。現実との乖離を感じてしまう部分が多く、「それを考えたからどうなるんだ」と正直思ってしまった。(筆者様への悪口ではありません)

 

気づいた結果として起こそうと思う行動:

この内容を使える場面は?

 これから部下を持って、部下と接する際や、子供が生まれた時に話す分には哲学は使える内容なのではないかと感じた。上記の感想を抱いたのは自分への応用を考えていたが、現実との乖離で上手く行かなったが、まず考え方を養うという意味では哲学的に考えを広げていくというのは使えるように思う。

 
 
 
 

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【読後レビュー26冊目】オリンピック・レガシー 2020年東京をこう変える!間野義之, 三菱総合研究所"ビジョン2020"推進センタ

 

オリンピック・レガシー: 2020年東京をこう変える!

オリンピック・レガシー: 2020年東京をこう変える!

 

 

 
本文より。

スポーツはよく〝世界共通の言語〟といわれるが、民族、宗教、国境を越えて人々を一つに結びつける力がある。その象徴的存在となっているのがオリンピック競技会だ。健全な肉体と健全な精神を持った人たちを多く輩出し、世界を平和に導こうというオリンピズムの哲学を広める活動がオリンピック・ムーブメントであり、そのための祭典としてオリンピック競技会が四年に一度開催されてきた

 

 

 

本の要約

どんなもの?

オリンピックの意義、効果について述べ、オリンピックによって有形無形の「レガシー」が残ることを指摘している。ただし、過去の大会を振り返ると、そのレガシーは正のレガシー・負のレガシーの両方共がある。その上で、2020年に開催される東京オリンピックでは正のレガシーを最大化し、負のレガシーを最小化するためにどうすればいいかということが述べられている。補足として前回の東京オリンピック、冬季札幌オリンピック、冬季長野オリンピックのレガシーについて整理がされている。

 

今まで読んだ本と比べてどこがすごい?

 レガシーへの整理が精緻。オリンピック委員会から求められるレガシーに対して、東京オリンピックではどのような取り組みが求められているか、また現在の取組の状況はどうなっているか、ということが項目ごとに挙げられていた。

 

議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)

 疑問として、これまでのオリンピック開催の反省点はどこに蓄積され、どのように東京オリンピックに反映されるのだろうか。例えば2016年のリオオリンピックの反省は誰が行っているのだろうか。ブラジル政府?リオ市?それともIOC?2016年11月に東京都にてリオオリンピック関係者から東京都へのノウハウを伝えるための会議があったようだが、どのような内容だったのだろうか。

www.news24.jp

 
 

新しいと思った3点

・開催地招致の段階から、各種レガシーの観点からどのようなレガシーを残していくかという戦略を構想することを求められること。これらは過去の負のレガシーを垂れ流したオリンピックの反省に基づいている。

・過去のオリンピックを分析すると、正のレガシーとして多く挙げられていたのがインフラ面である。オリンピック開催により観光客増加、経済効果を望み、鉄道や高速道路などのインフラ整備が行われたことが、後々住民にとって正のレガシーとして残った例が多い。一方で、環境面の配慮が行き届かなかったりスタジアムの作りすぎなどで不要な箱物が残る、という負のレガシーが残った例が多い。

東京オリンピックでは成熟した都市としてのオリンピックが求められる。環境への配慮、テクノロジーの進歩の発信など、東京オリンピックが巨大な見本市になることは容易に想像できる。

 
 

自分の中での気付き:

この本を通して自分の生活を振り返ると?

ハード面の整備はオリンピックなど分かりやすいイベントがあると進むのだろうと感じた。一方でソフト面としてこのようなイベントが有ることで、コミュニケーションの手段になりうる。WBCしかり、ワールドカップしかり。

 

気づいた結果として起こそうと思う行動:

この内容を使える場面は?

オリンピックに向けて、各業界が何をしようとしているのかを知りたいと思った。観光産業・環境・不動産・ITインフラ・医療。2020年までに何を目指すのか。またそれらは2020年が終わった後を見据えているのかを考えたいと思った。

 
 

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【読後レビュー25冊目】なぜ、この人と話をすると楽になるのか 吉田 尚記

本文より。

会話の基本は、徹頭徹尾、人のためです。そうしていると相手からも話を訊かれるようになって、自分も楽しくしゃべれるようになる。一見、ものすごく簡単なことのように聞こえますよね。だからこそ、人はコミュニケーションについてあまり深く考えようとはしないんじゃないでしょうか

 

 

 

本の要約:

どんなもの?

 アナウンサー、ラジオのパーソナリティーを務める「自分はコミュ障」と話す筆者が、楽しく会話をするテクニック、心構えについて述べたもの。

 

今まで読んだ本と比べてどこがすごい?

 自ら「コミュ障」と語る筆者ならではの、「愚者戦略」が述べられており非常に具体的、実践的な内容になっていると思う。本書で言う「愚者戦略」とは、他人から言われて恥ずかしい自分のコンプレックスは「言われたらラッキー」くらいに思うこと。万人から分かりやすいコンプレックスがあればそれを中心に会話が回る。それを戦略的に意識して、コミュニケーションを回すために利用できること。これが会話をする当事者としてまず大事だと述べている。

 また、会話の受け手としての愚者戦略として、「会話では相手に対して優位にたとうとしない」が述べられている。誰かが優位にたった会話はその時点から面白くなくなる。その為に、①褒める、②驚く、③面白がるというテクニックがある。

 

議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)

筆者がコミュニケーションを改善しようと思ったきっかけは究極的には何なのだろう。本書では「仕事だったから」と述べられているが、具体的な失敗や悔しさがあったのだろうか。

 

新しいと思った3点

・前提として全くしゃべれないコミュ障の人はいない。そのような人は何らかの病気を患っている。必要最低限な会話はできるが、他愛もない会話ができないのがコミュ障と言われる人。

・コミュニケーションをしていて楽しいのは、相手が自分のことを好いているという状態。なので、この人のことが好きだ、という雰囲気を出す、逆に好かれたいという下心を持って相手と接する。

・相手に気持ちよく喋ってもらうには、こちらから相手に振る時に、+10%で話を振ればいい。少しのプラスの感情を足してやることで、相手はより喋りやすくなる。コンプレックスを有効に使うというのは新しいと感じた。コンプレックスというと恥ずかしい、隠したいものという印象があるけれど、オープンにして相手に話のネタとして提供するという意識を持てばそれでオッケー。前提として、会話はみんなで作るもの。それぞれがすこしづつ+していって作り上げるものというのと、誰かを陥れるものではない、というのが大切だなと。

 
 

自分の中での気付き:

この本を通して自分の生活を振り返ると?

 コンプレックスを有効に使うというのは新しいと感じた。コンプレックスというと恥ずかしい、隠したいものという印象があるけれど、オープンにして相手に話のネタとして提供するという意識を持てばそれでオッケー。前提として、会話はみんなで作るもの。それぞれがすこしづつ+していって作り上げるものというのと、誰かを陥れるものではない、というのが大切だなと。

 

気づいた結果として起こそうと思う行動:

この内容を使える場面は?

自分の中でサワラれたくないコンプレックスはなんだろうと考える。そしてそこをサワラれたときの返しを考える。基本的には「何が悪いんスカ」というスタンスで考える。社会通念上差し障り無いものならば。

 

 

 

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【読後レビュー24冊目】「やりがいのある仕事」という幻想 森 博嗣

 

「やりがいのある仕事」という幻想

「やりがいのある仕事」という幻想

 

 

本文より。

面接に臨む若者は、仕事に対してやる気があるところを見せる。「やりがいのある仕事がしたい」と言葉では語るだろう。しかし、そもそも、「やりがい」というものがどんな概念なのか、若者たちはまだ知らない。知らないのに、言葉だけでそう言って、気に入ってもらおうと振る舞っているだけなのだ。そして、振る舞っているうちに、自分でも、言葉だけで「そういうものがあるはずだ」と信じ込んでしまう。  これが、「仕事のやりがい」という幻想に関して生じる問題の根源だ。

 

A 本の要約:

  1. どんなもの?
    作家である筆者が、若者の間で言われる「やりがいのある仕事」について、自身の体験を交えながら「そんな仕事はない」と説いている。その上で、「こう考えたほうが上手く生きていけるよ」というソフトランディングな方法を解説している。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
     筆者はまず職業に貴賎はなく、どんな仕事をしている人でもまた、仕事をしていてもしていなくても本質的には人の価値は変わらないと話す。その程度の価値しか仕事には無いからだ。
    繰り返すが、職業に貴賤はなく、どんな仕事でも偉い、偉くないということはない。無職であっても、人の価値が下がるわけではない。同様に、金持ちが貧乏人よりも偉いわけではない。どんなに仕事で成功しても、人間として偉くなれるわけではない(中略)
    国を動かすとか、未来を築くとか、それは個人の力によるものではない。そういう力を持っていると錯覚しているだけだ。権力を握るのも、大きなお金を動かすのも、仕事上の立場、つまりルール上に成り立つものであって、個人として特に偉いわけではない。「俺が国を動かした」と言いたいのかもしれないが、せいぜい、「関わった」という程度のものにすぎない。そんなことを言ったら、ほとんどの人が国を選挙を通じて動かしている
     その上で、社会で安心して暮らしていくには「仕事はしなくてはいけないものである」という前提を持って話を進める。
    当たり前の話だが、仕事の目的は金を稼ぐことである。義務とか権利とかそういう難しい話をしているのではなく、ただ、この社会で生きていくためには、呼吸をするように、トイレにいくように、ものを食べるように、やはり「働くしかない」ということ。もう少し別の表現で言うと、生きていくには、「働くことが一番簡単な道」なのである

    そうして、仕事は時間と賃金の交換であると述べ、「自分は何なら自分の時間を交換してもいいかを考える」こと、ひいては「自分にとって何が価値のあることなのか」を考えるように推奨している。自分の未来を想像し、何が自分にとって嬉しいのか、どうなれば自分は成功だと感じるのかを考えること。これが必要だと筆者は説く。
    人それぞれに生き方が違う。自分の道というものがあるはずだ。道というからには、その先に目的地がある。目標のようなものだ。まずは、それをよく考えて、自分にとっての目標を持つことだ。 「成功したい」と考えるまえに、「自分にとってどうなることが成功なのか」を見極める方が重要である

    何が自分にとって嬉しいのか、どうなれば自分は成功だと感じるのかを考えること。これが必要だと筆者は説く。そしてそれは本当に考えただけではわからない。「たぶんこれ」という仮の正解を実際にやってみることで、答え合わせをする。「これは違った」と失敗することがあるかもしれない。「やはり成功だった」と一発で正解を引き当てることは稀だろう。しかし、正解を求めて仮の正解に対していくつもやってみること。これが必要だと筆者はいう。その過程が人生の中に潤いをもたらしてくれるはずだ。



  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
     疑問でも反証でもないが考えたことを。オトナたちが「仕事は楽しいものだ」「勉強は楽しいものだ」という理由は何となく分かる。そう言わないと子どもたちがまずやる気を出さないからだ。しかし、一番可愛そうなのは「楽しくない」とそれらを敬遠した結果、どうしようもなくなってそれらと直面せざるを得なくなったときだ。そのつけを払うのは誰でもない子供達本人なのだが。


  4. 新しいと思った3点

    なんとなく、意味もわからず、「仕事にやりがいを見つける生き方は素晴らしい」という言葉を、多くの人たちが、理想や精神だと勘違いしている。それは、ほとんどどこかの企業のコマーシャルの文句にすぎない。そんな下らないものに取り憑かれていることに気づき、もっと崇高な精神を、自分に対して掲げてほしい。それは、「人間の価値はそんなことで決まるのではない」という、とても単純で常識的な原則である

    ・勉強は楽しい、仕事は楽しい。それらは子供自身が思って発信した言葉ではなく、周りの大人達から刷り込まれ、「勉強は楽しいよね?」という刷り込みがあって生じている感情である。その上、楽しいと思うことをやろう、と奨励された子どもたちは楽しくないとそのことをやめてしまう。もし辛いことがあればこのゲームから降りてしまえばいいと考えるようになる。それでは短時間にしかものになる類のものしか続けられないだろう。

    自分の生き方に関する問題は、どこかに解決策が書かれているはずがない。検索しても見つかるはずがない。どんなに同じような道に見えても、先輩の言葉が全面的に通用するわけでもない。自分で生きながら、見つけるしかないのである


B 自分の中での気付き:

  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
     筆者も本文中で書いていたが、仕事の中で楽しいと思う瞬間は1割あれば上々だと思う。大概の瞬間は面倒だったり、しんどい思いをする。自分の感覚としてはそのような思いがあるが、雑誌などのインタビューを見ると「10割楽しい」くらいの人のインタビューばかりが載っている。これがギャップを起こす原因だろう。
 
 

C 気づいた結果として起こそうと思う行動:

  1. この内容を使える場面は?

    大きな期待を仕事に対して掛けすぎない。
    それでも期待がより大きい職場に行けるように努力をする。

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【読後レビュー23冊目】毎日、こまめに、少しずつ。 ためないキッチンと暮らし ワタナベ マキ

 

毎日、こまめに、少しずつ。 ためないキッチンと暮らし

毎日、こまめに、少しずつ。 ためないキッチンと暮らし

 

 

A 本の要約:
  1. どんなもの?
    家事全般について、毎日少しづつ手をつける、やること・定位置を決めておくという方法で、なるべく心理的負担が少なく毎日を過ごす方法を提案している。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
     食事・掃除・道具選びについて特定の信念に基づいて、定量的に決めている。そしてその決めたものが非常に適切であると感じる。とても出来ないことをやっているわけではないし、かといって何かが破綻しているわけでもない。


  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
     完全に真似することはできないので、自分のかけられる時間の範囲で真似しようとすればいいと思う。


  4. 新しいと思った3点

    献立の考え方のコツを続けますが、その日1日だけでなく、3日分くらいをまとめて考えるのが効率的です。予定がずれてしまったり、疲れて作れなかった日があっても、3日分なら食材も傷めず、そのあとも何とかまわしていけるし、買い物もそのくらいの単位で考えると、無駄な食材を買うのを防げるからです。


    ・掃除は、自分なりにルール化して、ルーティーンにしてしまうこと、つまり「考えなくても、身体が動く」状態にしておくことが大事です。「さて、掃除を始めよう」と思ったときに、「今日はどの場所から始めよう?」「掃除機だけ? それとも水ぶきもする?」などと、迷ったりすると、それだけで面倒な気分に。「この場所は、こういう掃除方法を毎回する」と決めておけば、習慣化させやすいし、「それがワンセット終わるまでが、ひと仕事」と、目標点がはっきりします。

    自分のキッチンを象徴するようなひとつのアイテムを見つけて、新しく選ぶ道具が、その隣に並んでしっくりくるかどうかということを、ひとつの基準にしてみるのも手だと思います。最愛のアイテムと寄り添えるようだったら、その子は仲間に入れても大丈夫。そのあたりの感覚は少し、洋服選びと似ているかもしれません。


B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    家事全般について、暗黙的に決めていることは多い。今は仕事がそこまで忙しくないという事情や、子供もいないという事情から、かなり時間が自由に使えているという状態だと感じる。その状態でなくなった時のために、「最悪これはやりきろう」「これはこの頻度でいいや」というものを明確に決めておく必要はあるかと感じた。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    特に料理について参考にしたいと感じた。今は忙しい日は惣菜を買って帰るというのをやってみているけれど、自分の希望としてはそういうときでも家で作ったものを食べていたいという気持ちがある。
    これは育った環境からなのかもしれないけど、節約にもなるだろうし、下ごしらえまでをやっておくという方法を導入して、なるべく自炊で平日を過ごせるようにしたい。
 

【読後レビュー22冊目】弱いつながり 検索ワードを探す旅 東浩紀

 

弱いつながり 検索ワードを探す旅

弱いつながり 検索ワードを探す旅

 

 

 
本文より。
 
ネットは無意味だ、本当に重要なことは言葉にならないというわけではありません。どうのこうの言いながら、ぼくたちはネットと言葉に依存しなければ生きていけない。重要なのは、言葉を捨てることではなく、むしろ言葉にならないものを言葉にしようと努力することです。本書の言葉で言えば、いつもと違う検索ワードで検索すること
A 本の要約:
  1. どんなもの?
     哲学者の筆者が語る人生論。近年はIT技術の休息な発達によって、検索で様々なことを知れるようになった。しかし、検索するための「検索ワード」は自分の中で作られたもので、自分の中で作られる検索ワードはその人のいる場所や環境に規定される、というのが筆者の意見。人生を深めていくには、強い絆と弱い絆が必要だと説く。今の自分をそのまま深めていくなら強い絆が必要だが、それだけでは環境にただもたれ掛かる人生になるだろうと筆者は言う。弱い絆
    検索ワードが環境から与えられるとしたら、今いる環境から強い影響を受け、自分という存在は、環境から与えられる入力情報をただ出力するだけの存在になってしまう。充実した人生にするには、時々検索ワードを変えるような「弱い絆」をえる(身を置く環境を変える)必要があると筆者は主張している。


  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    「自分が求めること」と「環境から自分が求められると予測されること」が一致するときこそ、もっともストレスなく、平和に生きることができます。
     
     こう言い切れるところがすごい。
    個人は環境から与えられる入力情報をパラメータとする結果でしかないとすれば、上記が最もストレス無く生きることが出来る条件だと思う。


  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
     人が環境から与えられる入力をただ出力する装置だとしても、人の数だけ環境があると考えられる。この意味で筆者の主張に疑問が起きた。しかし、筆者は「与えられた環境からいかにはみ出すか」、「はみ出した部分が自分が求めることといかに合致するか」という点を重視している。
     これは疑問なのだが、「自分が求めること」を筆者はどのように見つける・獲得するのがいいと思っているのだろう。

  4. 新しいと思った3点

    世のなかの人生論は、たいてい二つに分けられます。ひとつの場所にとどまって、いまある人間関係を大切にして、コミュニティを深めて成功しろというタイプのものと、ひとつの場所にとどまらず、どんどん環境を切り替えて、広い世界を見て成功しろというタイプのもの。村人タイプと旅人タイプです。でも本当はその二つとも同じように狭い生き方なのです。  だから勧めたいのは、第三の観光客タイプの生き方です。  村人であることを忘れずに、自分の世界を拡げるノイズとして旅を利用すること。旅に過剰な期待をせず(自分探しはしない!)、自分の検索ワードを拡げる経験として、クールに付き合うこと。

    ・環境が人を作るということ。クリエイターの中に見を投じればクリエイターの成り方がわかり、なることが出来る。環境に左右されずに何者かになるような天才もいるけれど、残念ながら多くの人は天才ではない。
    ・情報はいくらでも複製可能だけれども、時間と特定時間における個人の感覚は複製できない。なので、今この時間に感じた感覚はかけがえのないものである。なので、個人の感覚を想起されるものとして、物を残すことは大切。写真や物理的なモニュメントなど。

B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
     もう一度引用します。

    「自分が求めること」と「環境から自分が求められると予測されること」が一致するときこそ、もっともストレスなく、平和に生きることができます。

          「環境から自分が求められると予測されること」が何かわかるため、また、『「自分が求めること」と「環境から自分が求められると予測されること」が一致する時』がいつなのかを知るために旅が必要だと筆者は説いている。環境を変えたことで自分の中にインプットされた情報・言葉。それらは環境を変える前では考えられなかった情報や言葉となり、新しい検索結果を自分にもたらすだろう。大切なのは、もたらすだろう結果を否定しないこと。つまりは「与えられた環境からはみ出す」ことを躊躇しないことだと思う。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    検索ワードを探す方法は旅だけではないと思う。
    新たな知見が得られるという意味では、普段会わない人と会って、話をすることでも「今の環境からはみ出す」ことは可能だと思う。旅というと大げさなような気がするけれど、単に会話をすることでも可能と思えば随分ハードルは下がるなと感じた。
 
 

【読後レビュー21冊目】仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。 「計って」「数えて」「記録する」業務分析術 坂口孝則

 

自由業のぼくからすると、会社員が会社にあるノウハウについて無頓着で驚愕する。ノウハウとは、多くは資料に結実している。自由業者だったら時間をかけていられない書類様式一つひとつも、ずっと熱心に考え続けている社員がいる。もちろん、それは暇人が多いからかもしれないけど、他の社員が自分の代わりに頭脳労働をしてくれている事実の意味は大きい

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
     経営コンサルの筆者が、仕事をうまく進めるために資料作り・文章づくり・営業・公演それぞれの方法論を筆者の経験を元にまとめたもの。筆者は会社員時代の同僚・先輩らの上記4つを分析・計測して仕事をすすめる上での方法論・教科書としてまとめている。


  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
     計測・分析するというのが本書の肝。様々な提案プレゼンの資料を計測したところ、仕事の資料は25パターンに分類できることや、資料作りに着手する前に、資料の「①目的、②対象者、③メッセージ、④ストーリー(構成)、⑤媒体
    」を明らかにする必要がある、などの方法論に行き着き、紹介している。特に、資料の見やすい文字数や、スライド枚数などは今すぐ実践でき、「わかりやすい」「それっぽい」と思われるようなポイントになるだろう。

  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
     どうしてもこの類の本はノウハウ的な情報になってしまい、記載されている方法論は時代とともに変わっていってしまう。デザインの隆盛があるように、どんな資料が見やすいか、どんな資料を作って欲しいと思われるかというのは日々変わっていくものなので、常にアップデートはしていかないといけないなと感じた。



  4. 新しいと思った3点
    ・プレゼンや資料作りで「こうすれば何となく評判がいい・それっぽく見える」という方法論が知れたこと。
    ・資料の型を意識することで、他人のプレゼン資料を見ている時は、どんな型を想定して作っているのかなど自分の感性を磨くための時間として使える。自分ならこういう要素を足すとか、逆にこの要素は冗長だ・不要だという思索も出来る。

    ・会社という場所は、参考にする先輩・同僚が山ほどいる「恵まれた環境」である。他人が頭脳労働をして汗を書いて作った資料を見れるし、参考にできる。その思考の経緯を知れる。それほどの恵まれた環境なのだから、誰かの作った資料をみずに捨ててしまうのは本当にもったいないと感じた。


B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
     無印良品は仕組みが〜でも述べられていたが、自分の仕事を定量的に把握し・分析することは大事。

    rockeyy2.hatenablog.com

    徹底的な仕事のマニュアル化(経験と勘の排除)が無印良品では行われていることが書かれている。無印良品では店頭のディスプレイの方法や商品名の付け方、さらには新人教育のマニュアルもあるとのこと。それらを用いて、なるべく仕事の標準化を行い、全国どこでも同じように商品提供が行えるという。



     さらに本書では自分の仕事を内省するだけでなく、「仕事ができる誰かの仕事」を分析しろ、と主張している。これはもっともな話で、内省するだけでは自分は超えないし、さらなる上達は望みにくいだろう。出来る人の仕事を分析することで、自分の仕事との差異を明らかにして、どうすれば近づけるかという視点で考えること。これが必要。車輪の再開発は本当に不要。
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
     本書で述べられている資料作りのノウハウはすぐに真似できる仕事術だと思う。すぐに導入する。更には、計測する、記録する、という
    「仕事ができる誰かの仕事を分析する方法」を身に着けないといけない。この方法は新たな仕事をする際に、仕事の進め方を知る方法として必要だと感じた。新たな環境に身をおいた時に、前任者や先輩から仕事の方法を教わるのは当然なのだが、その際に、計測する・記録するという方法を行えばより効果的に仕事の真似ができる、ということを覚えておきたい。