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Sierから地方公務員へ転じた20代男の戯言

Sier勤務から地方公務員へのジョブチェンジを経て今に至る20代男が、普段考えていること・読んだ本のレビュー等を書き連ねていくブログです。

【読後レビュー15冊目】まちづくりデッドライン 木下 斉;広瀬 郁

 

まちづくり デッドライン

まちづくり デッドライン

 

 

本文より。
 

まちづくりを大きく分けると、都市を取り扱うものと、農村・漁村などを取り扱うものがある。本書では前者の都市を対象とし、その「中心部」を守り抜くための実効性のある方法を提案したいと考えている

 

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    地域活性化のための社団法人理事の筆者と建築学者の筆者が地域活性化を行うための理論を教科書的にまとめた1冊。商店街や駅前を中心とする「まち」がなぜ発展してきたのか、なぜいま衰退が止まらないのか、なぜ地域活性化の施策はうまくいかないのか、という各論と、経営・会計的な側面から「稼ぐこと」の出来るまちにするための理論的な説明が行われている。最後にまちづくりとして成功しているという事例について取り上げている。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    筆者らの体験からかなり具体的なアクションについての言及があると感じた。特に6章。

  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    この本の内容としては不動産オーナーや商店経営者へのアクションが多く記述されていた。さらに言えば、このようなアクションをそれぞれのアクターがするために、行政からのアクションは何が必要なのか、ということを考える切っ掛けとなった。


  4. 新しいと思った3点
    ・他の成功例の真似では、自分のまちは成功しない。
    ・人口減・不動産余りの現状を背景として、これまでの大家>入居者・住民の力関係が、大家<入居者・住民に変わってきている。
    ・既にデットラインは近くまで来ている。助けられない地域が存在する。


B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    相当な覚悟を持って行動しないと地域活性化は難しいのだな、と逆に感じた。地域という環境は住民など関係アクターが多いため、中々一筋縄ではいかない。その中で上手く事業を進めようとするならば、専門性の高いメンバーを集める必要がある、という記述があった。自分はその専門性を持った人材になれるように努力しないといけないと感じた。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    行政からのアクションとして何が必要なのかを考える機会となった。用地規制などへの対応、飲食店出店手続きの簡略化、不動産の借り手が不動産を見つけられるような仕組み作りなど。

【読後レビュー14冊目】年収は「住むところ」で決まる ─ 雇用とイノベーションの都市経済学 エンリコ モレッティ

 

 

本文より。
 

都市にハイテク関連の雇用が一つ創出されると、最終的にその都市の非ハイテク部門で五つの雇用が生まれる。雇用の乗数効果はほとんどの産業で見られるが、それが最も際立っているのがイノベーション産業だ。

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    カリフォルニア大学の経済学者である筆者が、イノベーション企業の隆盛について説明するもの。イノベーションを起こすような知識集約的な企業があると、その場所周辺でそのような企業同士の公式・非公式なコラボレーションが起き、業績向上がありさらなる知識集約的な企業が集まる理由となる。その結果、人口が増大し、関連するサービス業の雇用が生まれる。これまでは製造業(車、エレクトロニクスなど)がサービス業の雇用を生むハブだったが、その地位が知識集約的企業に移り変わってきているということを示唆している。


  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    アメリカにおいて、都市間で給与を比べると都市によって圧倒的な差があることを明らかにした。平均給与、昇給率など、当たり前といえば当たり前だが様々な指標を都市間で比べるとA都市の最低ベレルがB都市の最高レベルだったりする。
    また、給与だけでなく住んでいる地域によって教育レベルや投票率、更には平均寿命にすら有意な差異が見られることを述べている。

  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    なぜローカル経済から〜の内容と背反する部分が一分ある。

    rockeyy2.hatenablog.com


     ローカル経済から〜では、日本を舞台にGDPの7割を生み出すローカル企業(主にサービス業)にスポットを当て、それらに対する今後の見通し、必要な戦略について記述していた。その中ではグローバル企業は日本国内にトリクルダウンを起こせないという前提になっていたが、本書籍ではトリクルダウンを前提として、都市にイノベーション企業があること必要性を説いている。
     私見ではあるが、これはサービス業の構造の違いによるものではないだろうか。それこそグローバル企業並みに集積されたチェーンのサービス業が多い地域であれば地元企業へお金は落ず、地元資本の企業が多ければトリクルダウンによる効果は見込める。ただ、トリクルダウンを企業サイドから見るか従業員サイドから見るかという差であるということも言えると思う。企業サイドから見ると、地元企業の売上が向上しないとその都市・地域へのトリクルダウンが起きたとは言わないが、従業員サイドからすれば、その地域にすむ労働者の雇用が生まれ、賃金が発生すれば、雇用主がどんな企業であろうとトリクルダウンが起きた、と言うだろう。

  4. 新しいと思った3点
    ・都市に必要なのは特定企業ではなく、特定企業が本社を置こうと思うための設備やサービス業の充実具合である。
    デトロイトロチェスターなどの製造業のあった都市は、その企業単体に頼りすぎた。本当に都市反映のために必要だったのは企業ではなく、企業を中心とした「エコシステム」だった。

    一流大学があることは重要だが、それだけでは、イノベーション産業の集積地が形成・維持されるとは限らないのだ。(中略)地域経済を発展させるうえで大学が最も効果を発揮するのは、専門性の高い労働力と専門サービス業者とともに、イノベーション活動のエコシステム(生態系)を形成している場合だ。集積地が形づくられれば、大学は集積地の成長を促すために大きな役割を果たし、集積地の成功を支えるエコシステムの柱として機能する場合も多い。

     



B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    自分の生活もこの地域性、集積効果のメリット・デメリットが発生することを念頭に置く必要がある。朱に交われば赤くなるということわざを実証したこの書籍で、今まで何となく感じていた地域ごとの差というものを強力に意識するに至った。住む場所選びはそこまで重要で自分たちの将来に大きな影響をあたえるものであることを認識すべきと感じた。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    仕事にもこの書籍の内容は大きな示唆を与える。地方政策を考える上で、企業側にとっていかに魅力ある年にするかという点を抜きには出来ない。企業に魅力ある土地で、近隣に住む人が増えると税収としても増える。当たり前ではあるが、人の集積を抜きには今の都市発展は考えにくい。また、大学の重要性についても示唆がある。卒業生が地元企業へ就職し専門性の高い労働力になること、その高い専門性が住民へ波及することが期待される。
 

【読後レビュー13冊目】「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える 常見 陽平

本文より。

「頑張るのに疲れた」なんて言うと、いかにも「負け組」のような、やる気がなく「ゆるい」者のように思われてしまうかもしれない。  だが、日本人が思わず口にしてしまう「頑張れ」という言葉は、置かれている環境によっては「暴力」になってしまう

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    働き方コンサル、現千葉商科大学国際教養学部講師である筆者が、現代の若者を覆う4つの強迫観念について分析し、「頑張る」による若者の疲弊、「出来る人にならなければ」という強迫観念について警鐘を鳴らすもの。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    現代の若者の働き方・キャリアを語る上で再三登場する4つのキーワード、即戦力、グローバル、コミュニケーション能力、起業について、その言葉が出てきた背景分析、実現可能性などを考察し、「若者に責任をなげっぱなしにするな」ということを語っている。
    基本的には世代間論であり、昔に比べて高度情報化する社会で求められるスキルは際限なく上がる。(インフレ化と筆者は言う)その中で若者へ「頑張れ」と連呼し、期待「だけ」をする社会は果たして正しい社会だろうかという問題提起をしている。実態としてカネやコネがなければ成長も飛躍も出来ない社会の中で、頑張る「だけ」で勝負させるのは若者の疲弊を進めるだけ、と断言している。

  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    疑問とは少し違うが、この本は「頑張れ」に疲れる若者という問題提起にはなるが、ではどうするかという点から見ると別冊にてという形になりそうだ。


  4. 新しいと思った3点
    ・4つの強迫観念全て共通して、閉塞した日本経済からの英雄としてザッカーバーグらの一部の天才が持ち上げられ、その結果生まれたものと言う特性がある。
    ・入社式の訓示を時系列に紐解く、という手法で若者のキャリア論に関してホットなキーワードを分析していること。入社式の訓示にはトップ層が今の社員に足りないものを新人に語るものだからだ。
    ・4つの強迫観念について「本当にそれが必要ですか?」「誰がそれできるの?」という点から批判的に捉えて分析を開始している。


B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    あとがきの文章が震える。

    あえて言おう。何も考えない努力は無意味である。もはや努力しても成果につながらない時代と言われる。平成とは、じわじわと環境が苦しくなり、社会のルールが大きく変わった時代である。いや、だからこそ「努力しろ」と煽られるのだが。  何も考えない努力は無駄である。いま求められているのは、「努力のデザイン」、「経験の意味づけ」なのだ」

    どのように努力すれば成功できるのか。成功の定義とは何か。そもそも成功する必要があるのか。そのレベルから考えていかないといけない。
 
 
C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    努力することは前提となってしまう。努力は続けられるようにしないと。また、キャリア形成として今の仕事の意味付けをしていかないといけないと思うし、資格取得やその他の勉強も意味づけを出来るようにしないといけないと感じた。

【読後レビュー12冊目】なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 冨山 和彦

 

なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書)

なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書)

 

 

本文より。

異なる経済特性を持つ産業領域AとBがあったとすると、このAとBを両方ともうまく回す統一の経済学的理論は存在し得ない。グローバルな経済圏Gとローカルな経済圏Lの経済特性は、現実問題として大きく異なるのである。

 

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    経営コンサルタントの筆者が、少子高齢化による「仕事量・売上は変わらない(むしろ減っている)のに供給力不足」という日本の状況について、G(グローバル企業)とL(ローカル=経済圏が地方に限定される企業)の2つに分けて分析を行っている。日本企業を分類するとG、Lの2つに分けることが出来る。グローバルな経済圏を持つサービスを提供する企業と、特定地方にいる人向けにサービスを提供する企業だ。前者は電機機械・医療機器・製薬など。後者は交通・飲食・社会福祉サービスが当たる。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    比較的詳細な対策、具体的な政策について記載があったこと。Gの企業・Lの企業への現状分析から始まり、それぞれの目指す姿、それに対する課題と解決策について詳細に述べている。



  3. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    Gの企業、Lの企業に対する改善策の記載があるが、総花的というか筆者の主観で挙げられている感覚はある。主張したい部分を幾つか述べているという印象。



  4. 新しいと思った3点
    ・Gの企業とLの企業の
    特性として、前者は知識集約産業で専門性の高い人材か一部のトップ層の人材がいる。後者はGDPや雇用の約7割を占めており、地方ごとに商圏が別れているので他地域の類似企業と競合することはない。重要なのはGの企業が儲かればLの企業が儲かる、は過去より薄くなってきているということだ。これまでトリクルダウンされるとして、Gの企業への優遇策などが製作的に行われたが、そのダウン先は日本国内ではなく海外の組み立て工場や安い労働力を提供できる外国へ移ってしまった。その結果、雇用やGDPの7割を占めるLの企業の収入力改善には効果がなかった。
    ・Gの企業とLの企業へのサポートはそれぞれ違う。Gはグローバルで勝ち抜くための戦略を練らないといけないし、Lは存在する経済圏の中でいかに存在感をあげられるか、地域での集約化を進められるかが鍵になる。
    ・G向けの人材、L向けの人材が存在し、それぞれへの教育も違いがある。


B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    Gの企業とLの企業で、働く人のモチベーションが異なると感じる。Gは「世界に飛躍」かも知れないし、「自己改革」かもしれない。一方でLは「地方の人への貢献」かもしれないし、「地元でのトップ」かもしれない。


C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
    自分の今の仕事は完全にLで、緩やかな撤退と集約が必要とある。自治体としてみるとGとL両方あるなと。G的な分野としては産業振興など、L的な分野は建設や福祉。それらを分けて考えることが必要だと感じた。また、両方の分野として、働く側の生産性の向上が必要だと感じる。

【読後レビュー11冊目】「読まなくてもいい本」の読書案内 __知の最前線を5日間で探検する 橘玲

 

 

本文より。

そこで本書では、まったく新しい読書術を提案したい。問題は本の数が多すぎることにあるのだから、まずは選択肢をばっさり削ってしまえばいいのだ。 

 

 
A 本の要約:
  1. どんなもの?
    元宝島社の編集者で、投資論など数々の著作を持つ筆者が、学問的な分野の本で「読まなくてもいい=学問として古くなり淘汰された議論や思想」について説明している。大きく分けて5つの分野でのパラダイムが起きたことで、様々な古い学問は不要になったと筆者は述べる。その5つの分野とは、①複雑系②進化論③ゲーム理論脳科学功利主義である。何かを学ぶ時、原典にあたることは重要だが、①〜⑤の学問分野に関しては最新の理論に当たる方がいい。逆言うとこれらの分野が活性化する前の他の学問分野についても陳腐化の可能性があるということ。


  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    筆者の知識量とそれを端的に説明する文章力が凄まじい。上記の①〜⑤についての現在までの変遷を追うだけでも相当な知識と下調べが必要だとわかる。そして決して平易な言葉ではないが、「なぜ」「なのでこうなる」といういわゆる「why」「so what」のある文章で、頭の中で理解が進むような内容になっている。

  3. 技術や手法のキモはどこ?
    筆者がもつ知識を近年爆発的に伸びている学問分野に限定して、その分野の変遷とその爆発的な伸びによって淘汰された・されるであろう学問分野についての示唆がある。


  4. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    筆者がこのような知識を持つに至った経緯について知りたいと思った。膨大な分野の文献や知識の凝縮がある本に仕上がっているのは筆者の情報編集能力の賜物だろう。ここまでの内容をこれだけ整理して語れる、筆者の知識がどのように出来上がったのか。


  5. 新しいと思った3点
    ・最近の学問分野の爆発的伸びに着目し、「読まなくてもいい本」を示唆するという手法。読むべき本というのはいつの時代もあり、勧められるけどそれはいつの時代も有用であるとは限らない。理系分野は新たな研究ですぐに古い分野は淘汰されるが人文学系や社会科学系はそれが少ない。過去の議論は新たな技術や研究の登場で一気に陳腐化する。
    ・陳腐化しない背景には、その分野にいる専門家たちの既得権がある。
    ・ここまで広範囲の分野を詳細に解説できる人がいるということにハッとした。

B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    文章の書き方について参考にすべき点があると感じた。とにかく筆者の文章には結論を書くために最短経路で言葉を並べている印象。不要な部分や冗長なところがない。
    文章の書き方だけでなく、仕事上で説明する際などにも参考になると感じた。

C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
  何かを学ぶ際は「なぜ」「なのでこうなる」を意識する。

【読後レビュー10冊目】「学力」の経済学 中室牧子

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

本文より。

海外のデータを用いた論文を見るたびにため息が出ました。日本に比べるとかなり充実している海外の教育データは、教育分野での実験に対して社会的な理解と寛容さがあることを感じさせます。その寛容さが結果として、海外の研究を質の高いものにし、政策への貢献を可能にしているのです。

 

A 本の要約:
  1. どんなもの?
    教育経済学を専門に慶應義塾大で教鞭をとる筆者が、教育の現場を計量・分析してわかった結果を述べているもの。「子供をご褒美で釣ってもいいのか」「少人数教育は子供の教育に効果があるのか」「いい先生とはどんな先生なのか」というテーマで、計量的な分析の記述がある。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    筆者の問は、「教育論は体験に基づきすぎている」というところから始まる。文中で引用されている例えに、「自分が病気になった時、長く生きているだけの老人に長寿の秘訣を聞く人は少ないのに、子供の成績に悩む親は子供を東大に入れた老
    婆の体験を買っているというのは不思議でないだろうか」と言うものがある。
     教育分野に関しては個々の子供の特性や能力によって左右されるであろう「どんな教育がいいのか」という問いが、主観と経験に基づく方法論で解決されていることが筆者の議論の出発点である。

  3. 技術や手法のキモはどこ?
     上記にも記したが、主観と経験に基づきがちな教育論ないしは教育方法について、統計的な手段を用いて、規則性を明らかにしている部分。また、「
    子供をご褒美で釣ってもいいのか」という子育ての分野から、「少人数教育は子供の教育に効果があるのか」、「いい先生とはどんな先生なのか」という教育政策の分野についても問いを立て分析を行おうとしている。


  4. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    統計的な分析でアメリカが成功していることは分かったが、こと日本においてもこのような調査に基づく事実把握が有用であるかという点は確認する必要があると感じた。文化的・民族的な違いがもたらす結果の差異は一定程度あると感じる。


  5. 新しいと思った3点
    ・子供の成績とテレビやゲームが必ずしも負の因果関係があるとは限らない。1日1時間程度なら負の因果関係が極端に大きくなることは無いとの結果が出ている。
    ・他の生徒からの影響について。優秀な生徒から受ける正の影響は、元々成績優秀な生徒に対してのみ起こる。成績下位の生徒には優秀な生徒からの正の影響は少ない。
    ・どの時期の教育が最も投資対効果が大きいのか。最も人的資本への投資効果が大きいのは、就学前における教育。勉強だけでなく、しつけによる生活習慣づけや体力面・健康面への投資が必要。「自制心」「やり抜く力」などの非認知的能力を就学前に鍛えておくことにより、将来の年収や昇進、または逮捕歴・生活保護受給歴にも関係する。

B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
    教育論は自分の経験や主観から来ている、というのははっとさせられた。たしかに他人に「どういう勉強をすべきか」「どんなキャリア形成をすべきか」ということを問われて話すときに、自分の経験でしか話していない場面は往々にしてある。自分はこの方法でうまく行ったけど、他の人ならこの方法もいいよ、という言い方は中々できない。なので、これからは自分の経験上はこうした方がいい、というのとセットで、自分はこういう性格だから、とかこういう制約条件があったからという前提の部分をちゃんと述べたいなと思った。

C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
  教育政策立案に関して。これまで行われてきた少人数制学級や子ども手当は各国の実施結果として「費用対効果が低い」と認定されたものばかりだったということ。このような政策立案はすべきでないし、他の導入実績としての比較を行い、反証を述べるべきであったと考える。教育政策を立案する際には、掲げる理想を実現する具体的な数値目標の元、達成するために費用対効果の高い製作手段を取るべきである。

【読後レビュー9冊目】新・観光立国論 デービットアトキンソン

 

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

 

 本文より。

外国人観光客という名の「短期移民」は、移民政策のようなデメリットがなく、GDPを上げる効果が期待できるということなのです。ただし、観光を産業として位置づけるのですから、観光客がお金を落とす機会をもっと用意すること、および、観光客数だけに注目するのではなく、お金をたくさん使ってくれる人々をより多く呼び込む必要があることに注意しなければなりません。

 

A 本の要約:
  1. どんなもの?
    文化財保護の会社を運営するイギリス人の分析。日本のGDP増加には
    人口増加が必要という出発点から、移民受け入れのデメリットを考えると、観光人口を増やすことで国内消費を増やすことが第一選択肢であるという指摘。

  2. 今まで読んだ本と比べてどこがすごい?
    国内消費を増やすという視点で観光を見直している。「おもてなし」ではお金は落としてくれない。それは経営学用語で言う「衛生要因」であるだけで、デメリットを消す程度のもの。メリットを訴えるには、筆者の挙げる四要素が必要である。

  3. 技術や手法のキモはどこ?
    筆者の指摘は古来からの観光がやってきた「お金を払わせないおもてなし」という既成概念を壊すもの。その観光ではGDP成長や日本の経済成長はない。オプションをつける・オプションで特別のサービスを行うことで、追加のお金をとることもサービスの方法としてはある。



  4. 議論はある?(自分の中で浮かんだ疑問や反証)
    筆者の考えを実現しようと思うと、パラダイムシフトとも言えるほどの考え方の転換が必要。それを現場レベルまで落とし込むには中々な時間と軋轢があるのではないかと想像した。


  5. 新しいと思った3点

    いくつかの観光の専門書などによると、「観光立国」には4つの条件が必要不可欠だと言われています。その4条件とは「気候」「自然」「文化」「食事」です。やはりこれも「これからやる」ということが重要であり、それをふまえた指摘だということをご理解ください。

    弱いという指摘を受けたら、まずは発想を転換して、力を入れるだけの価値があるということを理解したうえで、国を挙げて観光に対してやる気をもってもらうことが大切なのです。

    この底が見えない魅力というのは、とどのつまり「総合力」であり、マンホールや自動販売機で形成できるものではありません。まずベースに「気候」「自然」「文化」「食事」という大前提を整備したうえで、そこにいくつもの「も」を積み上げていく。もちろん、そのなかにマンホールがあってもいいし、自動販売機があってもいい。

     

B 自分の中での気付き:
  1. この本を通して自分の生活を振り返ると?
     今、日本の「おもてなし」にもっとも足りないのは、この「お金を落としてもらうだけの高品質なサービス」という発想だと私は思っています。では、ここで言う高品質とは何かということになると、やはり「客」である外国人の言葉に耳を傾けることが大切になってきます。
    →この、お金を落としてもらうための高品質なサービスが必要。どんなサービスが求められているか。相手を想定して考えること。Innerの分析も必要だけども(どんなことを自分はできるか)、相手に合わせて、どんな人が来るのか・その人はどんな気持ちで日本に来るのかを分析する必要がある。
     これらは自分の仕事の中でも取り入れられることができるんじゃないかと考えた。

C 気づいた結果として起こそうと思う行動:
  1. この内容を使える場面は?
   何を相手は求めているのか、何を心配しているのか、一方で自分たちのルールではどこまでは出来てどこまでは出来ないのか、そもそも相手のことを考えるとそれをすることが適当であるのか、ということを考えながら仕事ができると思う。
   具体的には、GDP向上の為にお金を引っ張ってこれる観光のPR方法・サービス提供方法を考える→取ってきたお金でさらに文化財の保護など観光資源の価値向上に務める。